マスクの効果
のどの粘膜にある繊毛は、汚れや細菌、ウィルス を外に出す働きをしています。のどの粘膜が乾燥すると、繊毛の働きが低下してしまうので、 細菌やウィルスに感染しやすくなります。
マスクをつけると乾燥した空気からのどや鼻の粘膜が守られ、 繊毛の働きにより、細菌やウィルスに感染しにくくなり、 扁桃炎にもなりにくくなります。
冬のウィルスは低温乾燥の環境を好みますが、マスクの中は、温度約30℃、湿度約80%になるため、 ウィルスが繁殖しづらい環境になります。
マスクをしていると、ウィルスに触れた手で、 鼻や口を触るのを防ぐことができます。ただし、マスクをしているからと言って、 ウィルスを完全に吸い込まないようにすることはできません。
マスクの種類
米国国立労働安全衛生研究所が定めた『N95』基準の認定を受けたマスクで、 0.3μmの微粒子(油分を含まない空気中の固体・液体の煙霧質)を95%カットする効果があります。
医療従事者が結核やSaRSに感染するのを予防するためにも使用されています。 使用に際しては、専門的知識とフィットテストなどの事前準備が必要で、 装着すると呼吸が苦しくなることから、一般の方には不向きなようです。
(参考)
細菌:0.5~5μm、鳥インフルエンザ:0.08~0.12μm
薬局やコンビニなどで購入でき、 家庭用マスクとしては、ガーゼマスクよりフィルター効果が高いです。 「サージカル」には「外科の、手術の」という意味があり、 医療現場でも使用されています。
サージカルマスクの基準としては、米国食品衛生局が、 bFE(細菌ろ過効率)95%以上と規定しています。 厚生労働省は、新型インフルエンザ対策には、不織布製マスクを推奨しています。
ただし、マスクをしているからと言って、 ウィルスを完全に吸い込まないようにすることはできません。
※bFEのパーセンテージが高いほど、細菌を通しにくい構造。
マスク使用上のポイント
- 鼻と口の両方をマスクで覆います。鼻からあごを覆うように正しく装着します。
- 顔とマスクの間に隙間が生じないようにします。
- 不織布マスクは原則使い捨てなので、1日1枚程度を目安に使用します。
- 咳やくしゃみをした人と接した場合、マスクの表面にウィルスがついて いる可能性があるので、すぐに交換します。
- マスクの表面には、ウィルスがついている可能性があるので、 使用中はあまり触らないようにします。
- 使用後は、表面に触れないようにビニール袋に入れ、口を閉じて廃棄します。
- マスクを廃棄した後は、手にウィルスがついている可能性があるので、 すぐに手洗いや消毒用アルコールで消毒します。
- マスクを過信しないこと。
- 人ごみを避けましょう。
- 咳、くしゃみをしているなど感染の症状のある人と接触しないように。